【胸】POF法で鍛える大胸筋のトレーニング9選
ベンチプレスの重量は伸びているのに、胸が厚くならない。俺も同じだった。
社会人になって100kgを挙げてから、120kgで2年止まった。その2年で種目もいろいろ試したが、胸の見た目はほとんど変わっていない。今は150kgまで来ていて、クラシックフィジークで優勝もしたが、変わったきっかけは重量でも種目数でもなく、種目をどの順番で置くかだった。
この記事では、大胸筋のPOF法を9種目に整理して、それぞれ何を狙う種目なのか、どこでつまずきやすいかを書く。
そもそもPOF法についてよく分からない方へ
POF法は、種目を「筋肉が最も伸びた位置」「収縮しきった位置」「その中間」のどこで最大負荷がかかるかで3分類し、全部を1回のトレーニングに入れる考え方だ。理論の全体像は別記事にまとめている。
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大胸筋のPOF法に基づいた種目一覧
| 分類 | 種目 |
|---|---|
| ミッドレンジ | ベンチプレス / ダンベルプレス / スミスベンチプレス(各インクライン・デクライン可) / ディップス |
| ストレッチ | ダンベルフライ(インクライン・デクライン可) / ダンベルプルオーバー |
| コントラクト | ケーブルクロスオーバー / チェストプレス / ペックフライ |
胸のミッドレンジ種目
高重量を扱えて、大胸筋の土台をつくる。トレーニングの最初に持ってくる。
ベンチプレス
大胸筋・上腕三頭筋・三角筋前部を同時に使う基礎種目。パワーリフティングの3種目の1つでもあり、扱える重量が最も伸びる。
ただし、ベンチプレスの重量と胸の厚みは比例しない。俺が120kgで2年止まっていたときも、記録は前に進んでいるのに見た目は動いていなかった。重量が伸びているのに胸が変わらないなら、原因はベンチプレスではなく他の2分類が抜けていることにある。
ダンベルプレス
やり方は15秒〜。
バーベルと違って左右が独立するぶん、可動域を深く取れて左右差も潰せる。バーベルでは胸に入っている感覚が薄い人は、こちらから入ると効かせる感覚を掴みやすい。
スミスベンチプレス
軌道が固定されているのが最大の違い。上下左右のバランスを取る必要がないので、その分の集中力を全部「胸に効かせること」に回せる。
初心者向けと思われがちだが、俺は今も使っている。潰れる心配なく限界まで追い込めるので、高重量を安全に扱いたい場面ではバーベルより合理的だ。
ディップス
大胸筋下部・上腕三頭筋・三角筋に効く。手幅が広いと大胸筋下部、狭いと上腕三頭筋に負荷が寄る。
自重で始められるが、慣れたら加重してミッドレンジ種目として組み込む。
胸のストレッチ種目
筋肉が伸びた位置で最大負荷がかかる。筋肥大の刺激としてはここが強い。
ダンベルフライ
やり方は1:20〜。
大胸筋を伸ばし切った位置で負荷がかかる種目。プレス系だけで胸が変わらない人に、まず足すべきはこれ。
肘を伸ばし切らず、軽く曲げた角度を最後まで固定する。重量を上げると角度が崩れてプレス動作になり、ストレッチ種目としての意味がなくなる。
ダンベルプルオーバー
胸郭を大きく開く種目。大胸筋のストレッチとしても広背筋種目としても使える。
肩の柔軟性が足りないと関節に負担が出るので、軽い重量で可動域を確認してから重さを乗せる。
胸のコントラクト種目
収縮しきった位置で最大負荷がかかる。仕上げに入れて、大胸筋を絞り込む。
ケーブルクロスオーバー
フリーウェイトでは刺激が入りにくい大胸筋の内側まで入る。腕を閉じ切った位置で張力が抜けないのがケーブルの利点だ。
滑車の高さを変えれば上部・中部・下部を打ち分けられる。
ペックフライ
肩関節だけが動く単関節種目なので、大胸筋だけを集中して追い込める。
閉じ切った位置で1秒止める。止められない重量は単に重すぎる。
チェストプレス
軌道が決まっていて動作は簡単だが、押すときに力んで首が上がると肩を痛める。首を長く保ち、肩を下げたまま動作する。
疲労が溜まった終盤でもフォームが崩れにくいので、追い込みの最後に置くと出し切って終われる。
POF法で組む胸トレメニュー例
週1回・約1時間で胸を回す場合の組み方。重い種目から軽い種目へ落としていく。
| 種目 | 重量設定 | 回数 | セット数 | 休憩 |
|---|---|---|---|---|
| ベンチプレス or スミスベンチプレス | 1RMの80〜85% | 5〜8回 | 3 | 3〜5分 |
| ダンベルフライ | 1RMの70〜80% | 8〜12回 | 3 | 2〜3分 |
| チェストプレス or ペックフライ or ケーブルクロスオーバー | 1RMの30〜50% | 20回前後 | 3 | 1〜2分 |
60分なら種目は3つでいい。 5種目以上に広げると1種目あたりの集中力が落ちて、どれも中途半端になる。種目を増やすより、この3つの重量を毎週記録して伸ばすほうが胸は変わる。
上部を重視したいなら、上2種目をインクラインに変える。下部ならデクラインにする。コントラクト種目は滑車やシートの高さで狙う部位を合わせる。角度を変えるだけで、種目そのものは同じでいい。
大胸筋の上部が育たない人へ
胸で一番多い相談が、**「厚みは出たのに、上部だけ立体感が出ない」**というものだ。
原因はだいたい順番にある。インクラインを最後に回していることだ。
大胸筋上部はフラットベンチではそもそも刺激が入りにくい。そのうえ疲労が溜まった後半にインクラインを持ってきても、扱える重量が落ちていて刺激として足りない。順番の問題であって、種目が足りないわけではない。
俺はインクラインを胸の日の早い段階に移した。それだけで半年後には上部の立体感が変わった。種目を足したわけでも、重量を上げたわけでもない。順番を入れ替えただけだ。
上部が課題なら、こう組む。
| 種目 | 重量設定 | 回数 | セット数 | 休憩 |
|---|---|---|---|---|
| インクラインベンチプレス or インクラインスミスベンチプレス | 1RMの80〜85% | 5〜8回 | 3 | 3〜5分 |
| インクラインダンベルフライ | 1RMの70〜80% | 8〜12回 | 3 | 2〜3分 |
| ケーブルクロスオーバー(上部狙い) | 1RMの30〜50% | 20回前後 | 3 | 1〜2分 |
胸が変わらない人がやっている3つのこと
ベンチプレスの重量だけを追っている。 記録は前に進むが、見た目は止まる。俺の2年がまさにそれだった。
ストレッチ種目を飛ばしている。 プレス系だけで組むと、伸ばした位置の刺激がまるごと抜ける。フライを1種目足すだけで翌日の張り方が変わる。
インクラインを最後に置いている。 上部が育たない原因のほとんどはこれ。疲れ切ってからやる種目に、部位を変える力は残っていない。
まとめ
胸のPOF法は、ミッドレンジで土台をつくり、ストレッチで刺激を入れ、コントラクトで絞り込む、という順番で考えるとシンプルになる。
種目を全部覚える必要はない。各分類から1つずつ選んで、その3種目の重量を記録し続けること。そして上部が課題なら、インクラインを後ろではなく前に置くこと。それだけで胸は変わっていく。