【背中】POF法で鍛える背中のトレーニング9選
背中は、自分の目で見えない。だから伸び悩む人が一番多い部位でもある。
俺は高校時代の65kgから103kgまで増量して、そこから絞ってクラシックフィジークで優勝した。デッドリフトは235kgまで引いている。ただ、最初の10年は重量と種目数を追いかけただけで背中は変わらなかった。効き始めたのは、種目を「どこで一番負荷がかかるか」で分類して組むPOF法に切り替えてからだ。
この記事では、背中のPOF法を9種目に整理して、それぞれ何を狙う種目なのか、どこでつまずきやすいかを書く。
そもそもPOF法についてよく分からない方へ
POF法は、種目を「筋肉が最も伸びた位置」「収縮しきった位置」「その中間」のどこで最大負荷がかかるかで3分類し、全部を1回のトレーニングに入れる考え方だ。理論の全体像は別記事にまとめている。
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背中のPOF法に基づいた種目一覧
| 分類 | 種目 |
|---|---|
| ミッドレンジ | チンニング / デッドリフト / バーベルベントオーバーロウ |
| ストレッチ | ダンベルプルオーバー(ストレートアームプルダウン) / ラットプルダウン / ケーブルプルオーバー |
| コントラクト | ダンベルワンハンドロウ / ケーブルローイング / シーテッドロウ |
背中のミッドレンジ種目
高重量を扱えて、背中全体の厚みと土台をつくる。トレーニングの最初に持ってくる。
チンニング(懸垂)
自重で広背筋を上から引く種目。背中の「広がり」を最短で取りに行くならこれが軸になる。
つまずきポイントは、腕で引いてしまうこと。肘を体の後ろに送る意識に変えると、腕の関与が減って背中に乗る。回数がこなせないうちは、アシストマシンかゴムバンドで補助して、フォームが崩れない回数だけやったほうが伸びる。
デッドリフト
背中の厚みをつくる種目であり、全身の土台でもある。俺がBIG3で一番伸びたのもここで、今は235kgまで引ける。
ただし、疲労が全身に残る種目でもある。背中の日の1種目目に置いて、後半に持ち越さない。腰が丸まった時点でその日のデッドリフトは終了、と決めておくと事故が起きない。
バーベルベントオーバーロウ
前傾姿勢を保ったまま引く種目。中背部の厚みに効く。
上体が起き上がってくると負荷が抜けるので、重量を落としてでも角度を維持したほうがいい。重さを追いかけて上体が立っていく人が多いが、それは背中ではなく腰と足で挙げている状態になっている。
背中のストレッチ種目
筋肉が伸びた位置で最大負荷がかかる。筋肥大の刺激としてはここが強い。
ラットプルダウン
マシンで軌道が安定しているぶん、伸ばした位置での負荷を丁寧に感じ取れる。チンニングがまだきつい段階でも、同じ引く動きを軽い重量から積める。
トップで一度しっかり伸ばしてから引く。可動域を削って重量を上げると、この種目の意味がなくなる。
ダンベルプルオーバー
広背筋を最大限に伸ばせる種目。背中種目の中でもストレッチの深さは随一で、翌日の張り方が他と違う。
肩の柔軟性が足りないと肩関節に負担が出るので、軽い重量で可動域を確認してから重さを乗せる。
ケーブルプルオーバー(ストレートアームプルダウン)
ケーブルなので、動作の最初から最後まで負荷が抜けない。肘を軽く曲げたまま固定して、腕を振り下ろすのではなく背中で引き下ろす。
軽い重量でも効かせやすいので、トレーニング後半の追い込みにも入れやすい。
背中のコントラクト種目
収縮しきった位置で最大負荷がかかる。仕上げに入れて、背中を絞り込む。
ダンベルワンハンドロウ
片側ずつ引くので、左右差を潰せる。背中は左右で発達が偏りやすいので、弱いほうに合わせて回数を決めるといい。
引き切った位置で1秒止める。ここで止められない重量は、単に重すぎる。
ケーブルローイング
収縮位置で張力が抜けないのがケーブルの利点。肩甲骨を寄せ切ったところで一度停止して、ゆっくり戻す。
戻すときに肩が前に出ると背中が休んでしまうので、胸を張った姿勢のまま伸ばす。
マシンシーテッドロウ
軌道が固定されているので、疲労が溜まった終盤でもフォームが崩れにくい。追い込みの最後に置くと、背中を出し切って終われる。
POF法で組む背中トレメニュー例
週1回・約1時間で背中を回す場合の組み方。ミッドレンジ→ストレッチ→コントラクトの順で、重い種目から軽い種目へ落としていく。
| 種目 | 重量設定 | 回数 | セット数 | 休憩 |
|---|---|---|---|---|
| デッドリフト | 1RMの80〜85% | 5〜8回 | 3 | 3〜5分 |
| ラットプルダウン | 1RMの70〜80% | 8〜12回 | 3 | 2〜3分 |
| シーテッドロウ | 1RMの30〜50% | 20回前後 | 3 | 1〜2分 |
3種目だけに見えるが、この形が続く。種目を増やすより、この3つを毎週きっちり記録して重量を伸ばすほうが背中は変わる。
背中が伸びない人がやっている3つのこと
種目を毎回変えている。 新しい種目を試すのは楽しいが、同じ種目を継続しないと重量の推移が追えない。追えないものは伸ばせない。
引く動作だけ数えている。 背中は伸ばす局面で刺激が入る。戻すときに手を抜いた時点で、その1回は半分捨てている。
重量を腕と腰で稼いでいる。 背中に入っていないのに数字だけ伸びている状態は、記録上は前進、実態は停滞になる。重量を落として効かせ直したほうが結局は速い。
まとめ
背中のPOF法は、ミッドレンジで土台をつくり、ストレッチで刺激を入れ、コントラクトで絞り込む、という順番で考えるとシンプルになる。
種目名を全部覚える必要はない。各分類から1つずつ選んで、その3種目の重量を記録し続けること。それだけで背中は変わっていく。